本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
■ 屍島
December 18, 1999 5:41 AM
奇蹟鑑定人シリーズ第二弾。 瀬戸内海の「鹿羽島」で、ミズナラの木から鹿の首が生えていたという怪情報が届く。
その鹿の首は目撃者が慌てて転んだすきに消失してしまい、その直前に「ヒヒーン」という鳴き声を聞いたという。謎の生物「馬鹿」の存在をかけて、奇蹟鑑定人の魚間&天倉コンビは島の現場調査を開始する。住民は意表をつく者ばかり。島の名にちなんで人工の羽をつけた本物の鹿を連れ歩く役場の観光課課長。 診療所の医師はバイオテクノロジーの研究に熱中し、羊とヤギを掛け合わせた「メリーちゃん」を飼ったり、馬と鹿を掛け合わせた「馬鹿」を作っているという。そして死体にしか興味のない女性カメラマン、女装の前衛舞踏家。 異色の人物ぞろいだ。そして事件は起こった。 高さ10メートルほどの銀杏の木のてっぺんの枝に、串刺し状態で発見された死体・・・。そしてさらに怪死事件が起きる。 一連の猟奇的な事件の犯人は「馬鹿」なのか、それとも??そして何のために??
ミステリ史上、もっとも「バカ」という言葉が連呼される怪作!
[出版] 平成11年12月18日 角川春樹事務所(ハルキ文庫)
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