本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
■ スティームタイガーの死走
January 10, 2001 5:39 AM
おもちゃ会社 コハダトーイのカリスマ経営者、小羽田伝介は、幻のC3型蒸気機関車を心血注ぎ完成させ、「虎鉄」と名付ける。なんと虎鉄を本物の中央線で走らせようという企画をぶち上げた。
まさにその記念すべき日、出発地の東甲府駅で死体が発見され、走行中の「虎鉄」が乗っ取られた。犯人の要求は、金ではない。なんと、コハダトーイの社長である虎志郎たちに「強制労働」をさせるというのだ。労働の中身は、中央線の西荻窪駅と阿佐ヶ谷駅と高円寺駅のホームでキャンプファイアーをすることと、荻窪駅周辺100メートルの範囲で線路すべてをはさんで花いちもんめをやることだというのだ。
犯人の目的は何か。 機関車おたくの刑事、カーラと、相棒の鍼灸師のキラリの推理が始まる。
物語と読書の時間経過が一致したミステリに挑戦。劇中の時間の流れと本作の読者の時間の流れを同じにするという構想に立脚した作品である。
雪の上での人間消失、走る密室、列車消失、全編に仕掛けられた壮大なトリックなど数多のギミックが炸裂し続けるノンストップ本格!!!
このミス で第四位
[出版] 平成13年1月10日 勁文社(→角川文庫)
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