本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
■ 6月23日(土)・2007
June 23, 2007 4:49 PM
折角なので(?)、昨日に続いて、勝新太郎の話。
落語が好きで、古今亭志ん生や桂文楽の物真似が上手だったらしい。
しかし、こんなエピソードがある。
1990年の映画「浪人街」に出演した勝新太郎は、共演した原田芳雄と仲良くなる。
そして、ある日、
「おい、原田、初めて知ったんだけどよ、日本に凄い芸人がいたんだぜ」
「誰です?」
「古今亭志ん生。お前、知ってるか?」
原田は大の落語マニアで、もちろん、志ん生を知らないはずがない。
しかし、あまりの勝の無邪気な興奮振りに、正直に言えず、
勝から山のように志ん生のカセットテープを借りてしまった。
例のマリファナ所持で拘留された勝に、
当時の紀伊国屋書店の社長・田辺茂一が送った言葉が、
「落ち葉は風を恨まない」
実にいい言葉だ。
後に、勝は、「座頭市」(1989)でこれをセリフに引用している。
しかも、とんでもない返礼も付けて。
それは、ここに記さない。実際に現物を観賞してくれ。勝の凄さが再確認できるから。
この田辺茂一の伝記を書いたのが、立川談志・家元。
一時、談志は酔うと、
「俺が志ん生の息子だったらなぁ」
とよくこぼしていたという。
勝新太郎、古今亭志ん生、田辺茂一、立川談志、
ホンモノはホンモノと呼応し合いリンクするものらしい。
晩飯。鮎の塩焼き。イカ刺身。オカラ。昨日の肉じゃが。
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