本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
吉祥寺に行く。
およそ一ヶ月ぶりである。おお、ずっと引きこもって原稿と格闘していたのだなー、と呆れ果てる。電車、バスに、乗るのも一ヶ月ぶりで、酔ったりする。
目指すは、先月末オープンしたばかりのヨドハジカメラ吉祥寺。
なんせ、三越デパート・大塚家具の跡ビルである。
八階もフロアーがあるのだ。で、で、でかい。
いきなり、入り口で、店員が「暑いでしょう」と団扇をくれる。
それでパタパタ扇ぎながら、店内に入ると、そこは、携帯電話の売り場で、
メーカーごとにブース・エリアがきっちりと区分けしている。
で、コンパニオンみたいな店員のネエちゃんが、
各メーカーごとのデザインのコスチューム(ミニスカという一点だけ共通)で、売り込みに励んでいるのだ。
ちなみに、入ってすぐの最も有利な位置は、ホークスのユニフォーム(ミニスカ)のソフトバンクであった。
なんせ、元デパートなので、とにかく、各フロアーが広い。
ずらーっと遥か彼方まで電化製品が並び、きっと電波が激しく飛び交っているのだろう、くらくらしてくる。
DVDも充実しているし、タワーレコードも入っていてCDもOK、フィギュアも食玩も「トランスフォーマー」輸入グッズも、ゲームも大量に置かれている。
唐突に、
ボクシングのバーチャルゲーム、グラブをつけて画面に向かってパンチを繰り出すやつ、その体験コーナーがあり、
太った中年のオバサンが汗みどろになって、ひとり闘っていた。怖かったよ。
また、ユニクロもあり、俺は企業コラボTシャツを買う。
さらに、最上階はレストラン街になっていて、ラーメン、イタリアン、カレー、お好み焼き、中華など一通りそろっている。
立ち食い寿司というのがあり、すこぶる惹かれる。こんど、入ってしまうだろう。
とにかく、ビル全体がアミューズメントパーク、軽く半日は過ごしてしまいそうだ。
こ、これじゃ、すぐ隣のLAOX、かないっこないよ。
でも、あそこの店員さんたち、すごく親切なんだ。
で、俺は、どうしても欲しい電子辞書をヨドバシで見つけたが、
あえて、隣のLAOXに買いに行った。
(ヨドバシの団扇はバッグに隠す心遣い)
けれど、品揃えに格段の差があり、欲しい機種、置いてないよ。
し、しかも、どう見ても、客よりも店員の数の方が多かった。
仕方ない、ごめんなさい、心の中で呟きながら、再びヨドバシに戻り
(再び団扇をバッグから出して、二度もらいをさける心遣い)
電子辞書を買ったよ。
一万九千円なり、定価は四万以上なのに、や、安い。
しかも、会員カードを作ってもらい、いきなり、五千円分のポイントが付いた。
なので、一万四千円で買えたことになる。
ああ、これじゃ、完全にとどめ刺されたよ。
きっと、既にLAOXも覚悟しているのだね。こういう場合、同業同士、裏で何らかの手打ちがあるのだろうな。
で、ないと、少年野球と大リーグが対戦しているみたいで、あまりに救いがないぜよ。
晩飯。厚揚げ焼き・ネギ甘酢ソース。モヤシ・キャベツ炒めテンコ盛り。オクラとチクワのワサマヨ和え(オクラは1分ゆでる)。
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