朝から、ロケハンに出掛ける。
新作「夕陽はかえる」の舞台となった地域を回って、
俺の書いた内容と照合するためである。
ふつう、ロケハンというのは、執筆前にするものだが、
俺は迷い箸のように目移りする性質なので、
あれもこれもと、書いておきたい風景を欲張り、進行が遅くなるため、後回しにしている。
先ず初稿は、以前に訪れた際の記憶で書いてしまうわけだ。

見て回ったのは、神田、日比谷、東銀座、新橋、汐留といったところ。
いずれも、会社員時代を過ごした街なので、書いた内容はほぼ正確だった。
ただ、汐留の変貌ぶりだけは、ちょいと未来都市に見えたけどね。加筆した方がいいかもしれん。
それと、神田の岩本町という設定で書いたのだが、実際に周囲の区画を探索すると、
紺屋町の方がふさわしいことに気付く。
密かに、殺し屋の秘密兵器を製造している、ちっちゃな家内工場は
こっちの町に移転させるとしよう。改稿だ。

新橋演舞場の周囲をデジカメで激しく撮っていたら、
オフィスビルの警備員が怪しく思ったらしい。
最初、一人しかいなかったのに、いつまにやら、四人の制服姿が集まり、
こっちを指差して、しきりと話し合っている様子。
不審尋問されても、正直に答えると、ますます不審に思われるだろう。
殺し屋とか、密室殺人とか、陰謀とか、って単語を並べなきゃならんから、な。
とりあえず、何も問われないうちに、無事終了してとっとと退散。




朝から夕刻まで、
ずっと歩き詰めで、汗だく、足の筋肉も痛い。
帰宅して、即、缶ビールを一気呑み、鮮烈に美味かったことよ。

　夜は、｢戎｣北口店で一杯。強烈に美味かったことよ。