本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
■ アカバネン・グラフィティ3
July 15, 2007 6:46 PM
「赤い巨塔」
俺は小学校にあがるまでは病気がちの虚弱体質で、ちゃんと育つかどうか心配されていたようだ。
なので、医者にはよくかかった。
当時は赤羽に在住。いろんな医院に行ったもんだよ。
印象的なのが二軒。
ちょいと、アカバネン・グラフィティ。
団地の一階のごく普通の2DKの部屋を医院に改造していた女医さんがいた。
耳鼻咽喉科・内科・小児科とかなり幅広い守備範囲。
腕がよくて、信頼が厚かった。
それにしても、妙な風景だった。
団地の普通の部屋で診察しているので、どこか、金をかけた大人のお医者さんごっこ、という風景。
でも、それが俺ら子供たちには親近感を与えていたのかもしれない。
普通、医者に行くのに怖がるけど、それはまったくなかった。
いつも、玄関から外まで、子供たちであふれていた。
もう一軒、記憶に残るのは歯科医院。
ここも子供が多かったな。
しかし、はっきり言って、腕に関しては首を傾げる。
それでも、子供たちが多かったのは、隣に駄菓子屋があったから。
待ち時間や、帰りに、駄菓子屋で買い食いする。
あまーい人工甘味料たっぷりの菓子をむさぼる。
それで、歯はますます悪くなる。それで、またまた、歯医者通い。腕はよくない。さらに駄菓子が拍車をかける。ますます歯が悪くなる・・・。
延々とこのループを描くようであった。
この歯科医と駄菓子屋、タイアップしていたのかもしれん。
どちらも今はない。
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