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■ アカバネン・グラフィティ6
July 15, 2007 6:55 PM


「赤羽ササニシキ」


 北区赤羽の中学時代の同級生が居酒屋を経営していて、そこが、毒蝮三太夫の番組でオンエアされたと、
ますふじ圭くんから報告いただく。
近所のおばちゃん、おばあちゃんたちが押し寄せ、例の「赤羽馬鹿祭り」の音頭をにぎにぎしく合唱したらしい。
♪馬鹿だ馬鹿だと言うけれど、馬鹿じゃ踊れん、馬鹿踊り♪
これくらい、馬鹿と言う言葉を連呼する歌もちょっとなかろう。
ちなみに、ますふじ圭くんはフルコーラス歌える。


 番組中、次のような昔話が老人たちの口から語られたらしいので、
ますふじ君からの報告書を転載させていただく。


 赤羽は終戦直後、闇米の検問をしていたそうな。
列車で運んできた闇米を、赤羽駅で徹底的に検査する。
検問があると事前に列車内で情報が流れるようで、
乗客は荒川の鉄橋から米袋を投げ捨てた。
「日本で一番米が採れるところは?」
「赤羽!」
戦後すぐの笑い話だとさ。


 そういえば、オイラの死んだ婆さんが、
「赤羽志茂町の人間は米には不自由しなかった」と言ってたな。
河の流れに詳しくてね。どこに流れ着くか知っていたのだろう。
それで、おいら、婆様と散歩していて、
水死体に3回も遭遇したのかもしれんな。


 さすが童話作家、優しいおばあちゃんとの思い出、懐かしい川原の散歩道、セピア色の風景が浮かんできますね。


 その三回の水死体の一つが俺の親父だった、わけではない。
しかし(←どういう接続?)、親父は赤羽のOK横丁などの安い居酒屋が好きで、何度か酔死体になって帰宅するのを、幼い頃、俺は眠い目で見ている。
こんな大人にはならんぞ、いつも、俺は思っていた。
が、やっぱし、なってるんだよな。
馬鹿は死ななきゃ直らん。



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