本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
「駄菓子屋ダバダ」
同じ赤羽でも、西口(赤羽台)と東口(志茂町)では、駄菓子屋の内容がこんなに違うのか。
当HPの不動の四番打者・童話作家ますふじ圭くんが
「駄菓子屋ダバダ」コーナーにさっそく寄稿してくれた。
西口に住んでいた俺には衝撃であった。
さて、ますふじ君の通っていた東口の駄菓子屋とは。
志茂町の駄菓子屋の強欲婆あが、「黒虫すくい1回2円」って看板で子ども誘い、庭先に3つある水がめのボウフラをすくわせたことがある。
金魚すくいの紙製のポイを使うのですが、これが面白いようにすくえるのですよ。
ボウフラという存在を知らなかった、小学1・2年のわたしたちは熱狂しました。
それが何に変身するかも知りませんでしたから。
ボウフラって知っている高学年はやらせなかったと記憶している。
この婆様、知能犯で、取れたボウフラを持ち帰り禁止にしてた。
取ったのは、全部、お店にある「金魚すくい」のたらいに入れさせる。
それを金魚が食べる。
確かボウフラ10匹かで、金魚1匹くれたと思うな。
金魚すくいは1回5円だったはず・・・。
2円で遊ばせ、労働を提供し、報酬には金魚!
加えて、すくったボウフラは金魚のえさ!
なんという自然の摂理を基にした合理主義!
おいら、どうしても「黒虫」が欲しくなってね、
金魚1匹入れてもらったビニール袋に、婆様の目を盗んで、黒虫を3匹ばかり入れたのです。
金魚に食われる前に、走って帰り、ヨーグルトの瓶に黒虫だけ分けたのです。
それを祖母が見つけて、目を白黒!
事情を話したら、地域のPTAで大騒ぎになって・・・。
ますふじ圭くん、ありがとうございます。
さすが歴史の古い志茂町ならではのいぶし銀のような駄菓子屋だね。
俺やタツローやミッキーの住んでたのは昭和37年に出来た赤羽台団地。
駄菓子屋もそうした新興住宅地の顔色を伺うような感じだった。
店の婆ぁ、どこで知るのか、親の身なりをチェックしてて、金持ちそうな家の子には言葉遣い違ってたっけな。
それに頭きた悪がきは、婆ぁ足がリュウマチだから万引きは簡単だ、なんてマジに強盗くわだててたっけ。
その赤羽台団地は四十五年を経て老朽化したので、取り壊され、現在、改築が進行中。
こないだ、見てきたけど、かなりの棟が無くなっていた。故郷がダムに沈むプチ気分だったな。
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