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■ アカバネン・グラフィティ20
July 15, 2007 8:28 PM


「それはセンセー」


 川崎の中学校で、生徒の遅刻のランク表を作った教師が厳重注意だってさ。
「イエローカード」「校長面談」「地獄へ直行」などと記した模造紙に、遅刻の回数に応じて、生徒の名札を貼っていたらしい。
うん、悪くないアイデアだと思うよ。
ただ、もう少し、ランクのネーミングにひねりが欲しかった。もっと笑わせて欲しい。
だいたい、この程度で、傷ついていちゃ、生徒たち、社会に出てから、どうするべ。


 俺の中学時代は、こんなアイデアを凝らしちゃくれなかったぜ。
もっとストレート。いや、バイオレンス。
ガンモ(仮名)って国語教師なんて、
遅刻してきた生徒を机の下に丸めて押し込んでいた。
生徒の机の下、じゃない。
教師の机の下。そこに、ぎゅっと丸めて押し込み、足をのせていた。
授業中、四十五分間、ずっと、な。


 センチャン(仮名)って技術家庭教師なんて、
本当に死にそうな必殺技くらわしてきた。
センチャンキックってベタな技だったけど、痛いの何のって。
太腿の外側、筋肉の張ってるところに、膝蹴りをガシッでくらわしてくる。
泣きそうに痛い、いや、生徒の七割は確実に泣いていた。
そして、痛みがなかなかひかない。その日は、たいていビッコひく。
ビッコひている奴を見かけたら、「あっ、センチャンキックくらったな」ってすぐ解った。
特に強烈な時は、三日間くらい、痛みがひかなかったっけ。


他にも、いろんなスパイシーな罰があったけど、いずれ、また。
ちょいと、アカバネん・グラフィティでした。
だいたい、義務教育が終わるまでは、義務が果たされていない不完全な人間、要は教育されきっていない獣なんだから、多少の痛い目なんか当然だって。じゃないと、サル以下になるぞ。
ガンモやセンチャンのおかげで、赤羽にサルはいない。
少なくとも俺ら世代には。



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