本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
夜七時ごろ、チャンネルを「24時間テレビ」にしてみる。
司会のひとり、黒木瞳が、
「欽ちゃんは、今、この日本武道館に向かって歩いてます・・・あ、いえ、走ってます」
この後の「行列の出来る法律相談所」に俺は歓喜した。
なぜか、鮎ジジイと呼ばれる、どこかの田舎の鮎取り名人の爺さんの映像がたっぷりとオンエアされている。
釣り上げた鮎を、石(!)で割いて、握り飯にくるみ、その場で生のまま食ってしまうのだ。
さらに、釣り上げた鮎(もちろん生のまま)を即ストレートに口に突っ込み、貪り食ってしまう。爺さんの口から鮎の尻尾が飛び出てフリフリ動いている。
その状態のまま、爺さん、また釣りを始めていたよ。
ああ、24時間、鮎ジジイの一日を追ってほしい。
昨日の予告通り、番犬ハチ君を風呂に入れる。
もちろん、ハチ君には予告は伝わっていない。知ってたら逃げ回るしね。
縁側から誘いこみ、素早く、リードをつけて部屋の中に引き入れる。
ハチ君、最初は抵抗するが、お気に入りの玄関口に連れて行ってもらえると思い、のこのことついてくる。
が、そっちには行かず、反対方向へカーブ。
ここで、ハチ君、気付く。あっ、アレだ!
その時には、もう遅い。風呂場に入れて、ドアを閉める。
シャワーを浴びせ、シャンプーをつけてスポンジで体の隅々まで洗ってやる。
狭い中なので、逃げようがない。ドア越しに鼻を押し付け家内に助けを求めている。
泡まみれの全身にぬるま湯をかけてやる頃には、気持ちよさが解ってきたのか、それとも、無条件降伏したのか、大人しくなっている。
よくタオルでぬぐい、風呂から出すと、まっしぐらに庭に逃走していった。
夕刻、散歩に連れて行く時、シャンプーのいい匂いがしているのがおかしい。
それに、こざっぱりと綺麗になっていて、どこかの良家のお犬様みたいだった。数日の間だけだろうけどね。
男前になったハチ君。
ゴーヤと豚肉の味噌炒め、家内は沖縄の料理をヒントにしたのだろう。ラタトゥユ。キューリとワカメの酢の物。
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