本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
前にも書いたけど、わが西荻の祭りは、町全体で行う大きなものはない。
細かくブロックごとに分かれ、ちまちまと開催される。
軒先に提灯が吊るされて、せっかく列をなしているのに、
区画の境界で唐突に途切れていたりするのだ。
ああ、やはり、一日も早く、町をあげて、丹波さん祭りを実現してもらいたいものだ。
そんなわけで、毎週末、小さな祭りがどこかで行われている。
で、今日は、西地区の商店街の祭り。
夜、太鼓の音が激しく、番犬ハチ君が興奮して、咆哮で答えている。
俺は自転車を駆って見に行く。
揃いのハッピ姿のいなせなオネエさんたちが、鮮やかなバチ捌きで、和太鼓を奏でていた。
女性スタッフのみで構成された不動産屋「オレンジボード」による演しものである。
西荻に住むようになって以来、ここにはずいぶんとお世話になっている。今の家も紹介してもらった。
オレンジボード太鼓、と呼ばれる、今ではすっかり町の名物に。
演しものの進行役として、商工会のおっさんが司会をしている。
その格好が、まったく普通。というか、ラフすぎる。
ランニングシャツに短パン一丁。
それも八百屋の店先(というか中に近い)でマイクを握り、
「はい、もう一度、盛大な拍手を!」
オレンジボードのおネエさんたち、ちょっと複雑な顔をしていた。
そういえば、前日、吉祥寺なんだけど、「ソフトバンク」の店先で、
キャンペーンのために、女性スタッフが立っていた。
しかし、その女性ふたりの格好、着ているものは外資系っぽいピシッとしたカッコいい黒いスーツなんだけど、
なぜか、頭に、ミッキーの耳を装着させられている。
屈辱をぐっと堪えているふうな表情をしていたよ。炎天下だったし。
新作「夕陽はかえる」のゲラ校正、真っ盛り。
暑いので板張りの床に腹ばいになって進める。さながら匍匐前進。
晩飯。俺のリクエストで、夏恒例の、カシミール野菜カレー。キューリとワカメの酢の物。
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