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■ 8月7日(火)・2007
August 7, 2007 12:50 PM


 朝の八時から、新作「夕陽はかえる」の改稿作業ラストスパート、
ようやく、夕刻の四時に終了し、早川書房の編集マイキーKさんに送信。
ひとまず、ホッ。


 六時半、中野の演芸場へ。
「邪道・毛唐の会」。
立川談之助&快楽亭ブラック、両師匠の二人会なのである。
今回は真打昇進十五周年と銘打った記念の公演だ。
けど、いきなり、お二方登場するや、「まあ、いつもの通りですよ」
とゆるく言いつつ、某政治団体や宗教団体を思いっきり罵倒し、オマンコをさりげなく連呼し、やはり、いつも通りであった。
ブラック師匠、「特別公演とはいっても、普段、オマンコと十回言うところを、三十回にする程度のもんですから」
お二方とも、いつも通りに大いに沸かしてくれたのでした。


今回、もっとも爆笑を巻き起こしたのは、
ゲストの、坂本頼光。この人は、映画の活動弁士という稀有な存在。まだ、三十代の若さである。
それでも、ブラック師匠と互角に渡り合えるマニアックな日本映画通。
そして、今回は、自主制作したアニメ映画を上映し、自ら活弁を演じてくれた。


このアニメが、「サザザさん」。もちろんサザエさんのパロディ、それも過激な。
キャラクターがクレージーにアレンジされている。
なぜか、波平の顔が殿山泰司で、猫のタマがネコ耳を付けた小池朝雄、もちろん、活弁でその声色を演じてくれる。
カツオとワカメの顔は水木しげるタッチ、フネが下ネタを饒舌に語り、サザエさんは口が不自由(最後にジャンケンできない)、もう、何が何だか。それでいながら、ちゃんと元ネタの平和なトーンは巧みに描出されているのには驚かされる。


二話とも、主人公はマスオさん、名前は不具田マツオと微妙にアレンジ。
マスオさん、放火魔と誤解されないように火事の現場に飛び込んで(?)全身大火傷で入院しちゃったり、
三億円の横領疑惑をかけられた会社の同僚を取り調べていたら、そいつがダッチワイフを妻代わりにして一人二役をやっているサイコ野郎だったり、
ストーリーもしっかり暴走してくれている。
客席にはうねるような爆笑が波打っていたよ。ああ、いい会だった。また、来年も、「サザザさん」の新作を観れると、いいなぁ。


 西荻に帰ってくると、「戎」北口店で一杯。
店員が俺の伝票をうっかり落とし、そこがちょうど炭火の上で、燃えて無くなってしまい、最後まで笑わせてくれる夜であったとさ。



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