本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
台風が近付き、風がビョービョー鳴いている。
茶の間でテレビもビョービョー鳴いている。
あれが、噂の紋次郎。
そう、最近、昼飯時は、J-COMの時代劇専門チャンネルで、
大好きな「木枯し紋次郎」を見ながら、蕎麦なんぞをすすっている。
至福のランチタイムとなっているのだ。
本日の回は、なかなかスモーキーなドラマであったよ。
「八つ墓村」に出てきたみたいな、呪わしげなババアが街道筋を徘徊。
その名も山姥と呼ばれ、子供たちに石を投げられたりする。
ババアは、紋次郎を尾行したり、絡んだりしながら、その動向を地元のオヤブンに報告し、スパイの役を果たす。
また、紋次郎への刺客として放たれたのが、知恵のちょっと足りない渡世人。
アアーとかギャーとか叫ぶだけで言葉を発しない。
しかし、腕っ節は強く、なぜか、得意技は槍投げ。
そして、そんなフリーキーな連中を操る親分、
その役を演じるのが、なんと、蜷川幸雄なのだ!
そう、あの世界のニナガワである。
で、ならば、演出も蜷川、と思いきや、そうではない。
なんと、紋次郎さんご自身、そう、中村敦夫なのであった。
調べてみたら、この年(1977年)、蜷川は帝劇で「三文オペラ」をきっちり演出している(出世作「近松心中物語」は翌々年)。
いやはや、上記の如く切り立ちまくりのキャラたちを自在に動かしながら、
世界のニナガワをさしおいて、紋次郎が演出している。すごい状況だ。
しがないランチタイムが、何だか、最後の晩餐みたいな、ヘンに豪華な気分になったよ。
そういえば、こないだは、扇千景がゲスト出演していた。
中村敦夫ともども、後の国会議員である。
異様なツーショットであった。
扇、ぶった切られて、血ぃ吹いていたよ。
晩飯。鯛のアラ煮と酒蒸し。ミョーガとキューリと油揚げの酢の物。
http://www.kurenaimon.com/mt/mt-tb.cgi/7875