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■ 4月13日(日)・2008
April 13, 2008 10:06 AM


(昨日のつづきだよーん!)


 30分遅れのモリサーの到着を待って、プレイが開始された。
モリサー、昨年のチャンプの余裕といったところか。他の参加者たちを小次郎に見立てかの如き、ひとり武蔵の風格。
それとは対照的に、ことさらに苛立ちを隠せないのがタツロー。
長年、天才の名を欲しいままにしながらも、なんと、昨年、最下位の屈辱を舐めている。
果たして、タツローの復活なるか、得意の黄金率推理はなおも通用するのか?
また、モリサーの前回の栄光はフロックだったのか?
これまでV2の快挙を成しえた者はいない。モリサーは連覇を遂げ、新時代の到来となるか? それを阻むか、タツローの雪辱?
竜虎あいまみえる因縁の対決、ここが今回の大きな見所と期待されよう。


 さて、今年から、ますふじ圭の提案により、新ルールが導入された。
ゲーム進行の円滑化とフェア性を高めるためである。次の通り。


構成を二部に分ける。
第一ステージでは、第10位から4位までのランキング、
第二ステージで、ベスト3を、当てる。
もしも、第一ステージの進行中に、ベスト3の名が挙がっても、
カーツ主宰は無視し、否定する。
そう、この時の、カーツ主宰の虚言の表情(演技)を、読み取らねばならない。
つまり、ポーカーの心理ゲーム性を導入したわけで、これにより、さらに紳士的スポーツ要素の向上がはかられたと言えよう。


そして、カーツ主宰は自らの公正さを誓い、予めベスト10を記した書類を用意し、
封筒に入れ、糊!付けし、割印を押しておく。
ゲームセットの段階で、初めて、それは開封され、全解答と照合される。さながら、アカデミー賞の発表。
いや、ここまでくれば、まさしく性なるアカデミーの祭典、オスカーとオナニーも赤羽ハリウッド、文化の電動にスイッチ・オン、いざ開幕!


 各自、それぞれの推理に基づき、一つずつ名を挙げてゆく。
丸テーブルの席を、時計回りの順に。(この方式も新ルール。声のでかい奴、自己主張の強い者が我先に放言しないための配慮である)
初参加のオゲから始まり、
ヤース、タツロー、俺、ますふじ圭、モリサーが発言してゆく。
それを、暖かくも厳格な目で見守り、一つずつ感想を述べるカーツ主宰。
しかし、なかなか、正解の返答は得られない。
二周目が過ぎても、まだ、一人も解答が出ないのだ。
こ、これは、例年になく難問か?
不敵に微笑むカーツ主宰の姿は、さながら、旅人たちにクイズを試すスフィンクスのごとき神秘さと威厳を帯びてくる。
場の空気が重い。


しかし、この均衡を破ったのが、モリサーだった。
「アッキーナ(南明奈)」
「YES! 第五位にランクしている。見事だ」
カーツ主宰から称賛の言葉が下される。
さすが、モリサー、昨年のチャンプ! これにより、フロック説を払拭し、その実力を早くも証明した。
そんなモリサーの喜悦に満ちた顔に、
矢のような鋭い視線を飛ばす男がいる。もちろん、タツローだ。
戦場に火が放たれた・・・・・・。
(また、明日につづくよーん!)



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