本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
(またまた、昨日のつづきだよーん!)
さて、モリサーが解答を一つ出したことで、波が動いた。
海路を見出したのだろう、メンバーたちは活気づく。
そして、まもなく、その潮流に乗るかのように、次々と正解が連打されていった。
ヤースは得意の科学捜査により、「小西真奈美」で次点を稼ぎ、
後半において、「安めぐみ」で四位を引き当てる快挙。
俺も「戸田恵梨香」で手堅く8位を当て、一安心。
カーツ主宰も場を盛り上げるべく、
状況に応じてヒントを提出する優しい心遣い。ああ、ありがたや。
両手を額の前に当て、
おお、「働きマン」このサインは・・・「菅野美穂、第6位」。
「働きマン」このヒントにピンときた俺だが、
先に、初参加のオゲに当てられてしまい、悔しい思い。
しかも、「働きマン」このポーズを、オゲは見逃していたのに、純然たる推理と直感で当ててしまったのだ。
オゲはさらに、「ほしのあき、第七位」も当て、驚異のルーキーぶりを発揮。
さすが、ハーレム・カラオケで鍛えられた現場の即戦力が功を奏す。
この鮮烈のデビューに、誰もが舌を巻いた。
そして、激しく火花を散らせる性なるバトル・フィールドで。
もっとも目覚しい快進撃を展開させたのが、あの天才・タツロー!
去年の雪辱を果たし、本来の実力をまざまざと見せ付ける。
あの、世界の王のフラミンゴ打法にも喩えられた、黄金率推理は健在であったのだ。
「第十位、成海璃子」
「第九位、釈由美子」
着実に打率を挙げてゆく。さらに、この猛打ショーは続く。
と、ここで、あれ?と気付いた方々も多かろう。
そう、ますふじ圭の活躍が記されていない・・・。
だって、仕方ないじゃん。
第一ステージでは、一つも当てられなかったんだからさ。
彼は、日頃から予習を怠らず、常にボイスレコーダーを持ち歩き、
これはと思うタレントなどを見つけると、その場で録音し、
さらに、自宅の仕事場で、それらのデータを単語カード帳(中学生がよく使うアレ)に記録するたいへんな努力家である。しかも、単語カード帳は二冊にもなった。
また、一方で、なかなかの策士でもあり、ゲームを自分有利に運ぶ目的も秘めて、
新ルールを提案し、導入した当の本人である。
そうした膨大な労力にも関わらず、今回のあまりの不振ぶり、
ますふじは動揺と焦りを隠せないでいた。
悲喜こもごもの戦場は波乱含みのまま、第二ステージへと突入してゆく・・・。
(またまた、明日につづくよーん!)
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