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■ 4月16日(水)・2008
April 16, 2008 11:54 AM


(またしても昨日のつづき、そして、ついに、完結編だよーん!)


 最後のひとつは、第3位のフーダニット。
カーツ主宰も自ら「これは君らには無理かもな」と不敵な笑みを浮かべる。
それほどの難問であった。
件のタレントの出演番組などヒントが提示される。
誰もが頭を抱え、空振りに倒れてゆく。


 しかし、ついに、突破者が出た。
やはり、あの男・・・タツローだった。
解答「豊田エリー」
唸るカーツ主宰「見事だ!」
一瞬、タツローがイチローに見えたほどの光輝が放たれていた。室内に眩いハレーション。
その華麗なる天才性が、長い長い死闘に終止符を打ったのだった。さながら千両役者の風格である。


し、しかし、豊田エリー、それ誰やねん? 
カーツ主宰とタツローを除き、誰もが首を傾げる。
ヤースがさっそくネットで検索。
そのモニターに現れる姿は、やはり、タツローの黄金率推理の正確無比を証明するものであった。


 ゲームセット。お互いの健闘を讃えあうメンバーたち。
カーツ主宰は今回のバトルを振り返り、
「ひねらずに。素直に。」
ありがたい教訓を我々に賜るのだった。
おお、この極意は、映画「燃えよドラゴン」でブルース・リーが語った、
「考えるな。感じろ。」
あの武道の奥義にも通じる奥深き哲学ではないか。
誰もが頭をたれて、深く胸に刻み込むのであった。


 そして、約束どおり、封筒に収められていた証明書が開封され、
推理結果のベスト10と照合される。神々しいまでの厳粛な儀式。
080412.jpg

今回の各自の的中成績は、
モリサー(1位、5位)、タツロー(2位、3位、9位、10位)
オゲ(6位、7位)、ヤース(4位、次点)、俺(8位)。


初参加ながらも、オゲの打率には目を見張るものがある。もしかしたら、ヒット職人への急成長も期待できよう。
また、昨年までのルールならば、ヤースが2位も当て、高打率を誇ったはず。ヤースのますふじ圭への態度が心なしか冷たい。
そして、モリサーが1位を当てたことも大きいが、
なんとタツローが四枠という半分近くの解答を猛打した成績が華々しい。
今回の優勝は、彼ら二人と結論付けてよいだろう。
モリサーが素直に喜び、陽気にはしゃぐのに対して、
タツローがそれをたしなめるかのように悠然と対応している。二人のキャラの違いが実に印象的であった。
いずれにせよ、竜虎にも喩えられる、タツローとモリサー、TMネットワークの時代が到来したことは想像に難くないようだ。


 ただ一人、落胆と悲嘆に沈んでいるのが、解答ゼロのますふじ圭。
でかい図体はうなだれ、重く黒い影をひきずり、浜に打ち上げられた鯨の死骸のようだ。
テーブルに放り出された、単語カード帳が空しい。
また、自ら導入をはかった新ルールも裏目に出て、自縄自縛と果てた不運が哀しい。
ちなみに、彼は帰りの電車内で、間近の酔っ払いのゲロをジーパンにかけられてしまう、まるで不運の一日を象徴するかのようであった。
今回の悔しさをバネに、不死鳥のごとき復活を祈ろう。
(最新の情報では、100円ショップで、単語カード帳を大量購入したとのこと)


 さて、享楽と法悦に満ちた宴は幕を閉じる。
今回の、この報告書は、無念にも欠席し、病床に伏すジンタンに捧げる。
一日も早い回復を心より祈念してやまない。
そして、アカバネ倶楽部の皆さん、また、次回の再会を楽しみにして乾杯!


[完]



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