本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
現在発売中のミステリ専門誌「メフィスト」(講談社)に、
俺は寄稿させていただいている。
「0(ゼロ)番目の事件簿」というコーナー。
これ、作家デビュー前に書いた小説を掲載し、
世間様にさらすという、ほとんど羞恥プレイのような企画。
一応、エッセイも併載し、自己弁護するチャンスを与えてくれているけど、
これもまた、恥の上塗りのような苦痛と快感をもたらしてくれる。
実に素敵なコーナーである。
で、俺は、「ゴルゴダの密室」という短編(長編だったらすげえ企画だな)を披露。
学生時代の作品である。つまり、三十年前、なので、その程度の出来ですから、
と、はい、懸命に弁明、ああ快感。
当時、ワセダミステリクラブに、「デイリースポーツ」紙から、
謎解きミステリの依頼があった。
読者に解答を応募してもらう、懸賞付きのクイズ形式の企画である。
早稲田満というハウスネームで、数人のクラブ員が、毎週、短編を寄稿していたのだ。
かれこれ、二年近く続いたのかな。
デイリースポーツさん、太っ腹というか無謀ですな、よっ、にくいね。
その早稲田満の一人が俺だったわけ。
で、三十年前の作品群の中から、無理矢理、セレクトして、
「メフィスト」に渡したのが「ゴルゴダの密室」。
当時、デイリースポーツ紙からは、
必ず、作品中には、濡れ場(ファックシーン)を入れること、
これを絶対条件として命じられていた。
なんせスポーツ紙に載る小説だからね。
しかし、クラブ員のほとんどがDT(童貞)だったため、
みんな、頭を抱え、股をこすり、苦悩したものである。
無理矢理、妄想をこじらせて書いていたわけだが、
あまりにひどい出来なので、
読者からは解答より抗議のお便りの方が多くて、
こんどは、デイリースポーツ紙の方が頭を抱えしまう。
しばらくすると、「もう、エロ場はいらん!」とお達しがくだされたのだった。
で、現在「メフィスト」に再録されている「ゴルゴダの密室」は、
件のお達し以後の作品なので、エロ・シーンはない。
まあ、そういうものを選んで渡したわけだけどね。
でも、だんだん、俺の中のM性質が鎌首をもたげてくる。
どうせ羞恥プレイなのだから、
この際、思いっきり恥辱にまみれるのも、これまた一興じゃん。
というわけで、
三十年前、DTな俺がしたためたエロ・シーンを
ここで、公開してしまおう。
と、本日は予告編を打っておいて、明日、公開いたしやす。
晩飯。トビウオの塩焼き。青梗菜の炒めもの。冷やしタヌキ豆腐。
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