本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
新聞で、誤植を発見した。そう思ったよ。
テレビ欄の、深夜映画で
「大いなる遺産」のはずなのに、
「犬いなる遺産」と記されている。
「大」ではなくて、「犬」。
ぷはははは、鬼の首とった笑いを放ったね。
けど、誤植じゃなかった。
本当に「犬いなる遺産」が正解だったんだよ。
というわけで、愛犬家の俺としては、反省の念もこめ、録画したわけ。
これが、去年のこと。
で、録画したまま、一年もほっといたんだけど、
ようやく本日、観賞した。
資料になるかもしれんと思ってね、新作「ロング・ドッグ・バイ」の。
「犬いなる遺産」のタイトルが示す通りの内容だった。
老いた伯爵が逝去して、その遺言状には、
全財産と伯爵の称号を愛犬に相続させるとある。
英国史上初の、犬の伯爵が誕生するわけだ。
舞踏会なんかが開催されたりする。
そして、遺産を目当てにしていた強欲な甥っ子たちが、
相続を妨害しようと、あの手この手を使い、
犬に味方する使用人たちとの間で攻防を繰り広げる。
そんなストーリーなんだから、
もちろん、ワンちゃんチームが勝利する結末に決まってるわな。
まあ、俺のような犬好きでなきゃ、どうでもいい作品だろう。
熱演している人間の俳優たちとは対照的に、
仕方なく黙々と仕事をこなしている、って感じの妙に冷めているワンちゃんたちが可笑しい。
あ、あと、食堂で皿洗いのバイトをしているワンちゃんというのがいて、
やっぱり、厨房で食器をペロペロ舐めているんだな、
物語にはまったく必要ないのに、こういうシーンがちゃんと入っているのが嬉しかった。
しかし、果たして、新作の構想の参考になったのか、
それが問題だ。
さあ仕事しよ。ハチ君、寝てないで、何かネタをおくれよ。
晩飯。青梗菜の炒めもの。キューリの梅マヨ。石垣島のラー油が手に入ったので、冷奴にかけて食う、とても美味い。釜揚げ蕎麦。
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