本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
■ 5月9日(金)・2008
May 9, 2008 10:22 AM
物書きの端くれとして、
小説の中の登場人物のセリフについて、それなりにあれこれ深慮し、懸命に考えているつもりである。
たまーに、自分でも、キマってるぜ、って思えるセリフを書いて、自己満足に浸り、ビールの美味いこともある。
だが、しかし、時として、
現実に報道された事件の中で、ゾクっとする言葉に遭遇する。
こっちが、いくら頭をひねって苦吟しても、こりゃ、思いつかないってセリフ。
参りました、と頭をたれるしかない。
で、最近の報道から、胸元をえぐられるようなセリフを三つほど。
其の一。
大阪府警に恨みを抱く土木作業員の男が腹いせに、
なぜかJR西日本の「お客様コールセンター」に脅迫電話をかけ、
「新幹線、ひっくり返したる」
其の二。
寒い日にオープンカーに乗っていたことをバカにされた、父子が、
男子高校生5人を拉致して、
「脳みそ出すぞ」
其の三。
20代からずっと泥棒で生計を立て、刑務所の出入りを繰り返してきた、
74歳の男性が、
民家に忍び込み、現金を盗むが、住人に見つかり、
杖をつきながら逃走し、捕まる。
警察の調べに、
「死ぬまでこれで生きるしかないんだ」
いやはや、どれも、フィクションを軽く蹴散らすような迫力と興趣と人生訓に満ちている。
こっちは、正座して、脳内でリプレイを繰り返し、拝聴するしかない。
学ばねば。
晩飯。チキンのガーリックソテー・玉ねぎレモンソース合え。ホウレン草のおひたし。冷やしトマト。
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