本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
「崖の上のポニョ」を上映している映画館の、
近くで、
回転寿司屋から聞こえてきたBGM、
♪さかな、さかな、さかなー、
さかなを食べーるとー、
あたま、あたまー、あたまがー、よくなるー・・・
で、俺が食いに、いや、観に行ったのは「ポニョ」じゃなくて、
「ホット・ファズ」だ!
のっけからラストまで、ほとんど笑いっぱなし。
いやー、マジに暑さを忘れたね。
頭が良すぎるバカ映画って感じだ。
小説には、村を舞台にして、
その地域特有の因習や風土が、
事件に彩りをそえる、いわば、「村ミステリ」(略して、ムラミス)とでもいうジャンル(?)がある。
どのガイドブックにも書かれてないけど、あるったら、ある。
例えば、ちょっと思いつく限りでも、
横溝正史「八つ墓村」「悪魔の手毬唄」や、クリスティ「予告殺人」、
クリスピン「お楽しみの埋葬」、ポーター「ドーヴァー4/切断」、
A・D・G「病める巨犬たちの夜」
といったあたりが、ムラミスの逸品。
映画にだって、ムラミスがあるぞ。
「ハリーの災難」とか、「疑惑の影」とか、
「刑事ジョン・ブック/目撃者」「ブルー・ベルベット」
「ヴィレッジ」「クランスマン」「ミシシッピー・バーニング」
・・・etc。
そんな数多のムラミスの中でも、
「ホット・ファズ」は
一つの頂点を極めたと断言できる。
それは、くどくど説明するより、とにかく観てください、
と言うしかない。はい、ダッシュ!
スパイシーな監督には、それぞれ、
トレードマークのようなシーンがある。
ジョン・ウーの、<白いハトの舞い>や、
北野武の、<ひたすらウォーキング>など、
この「ホット・ファズ」のエドガー・ライト監督は、
<とりあえずパブ>
<板塀の突破>
あたりが、それに相当するかもしれない。
今後の楽しみの一つである。
観終わって、満足感にひたり、
映画館の窓(三階)から、外を見下ろすと、
新宿コマの広場(昔、噴水があったところ)に、
ズラズラズラーと、ホームレスが寝そべっている。
その光景が、カンヌの海岸に見えたね。
晩飯。辛味噌のつけ麺。ワカメと豆腐の酢の物。
(お知らせ)
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