本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
東京・岡山往復の疲れがまだ残っているので、
執筆は休み、資料の整理などの作業を行う。
こういう日は、気分転換に落語だね。
で、もちろん、先日、楽天で購入した、
快楽亭ブラック師匠のDVD「不敬罪」を迷わず手に取る。
収録されている演目「オナニー指南」「オマン公社」「イメクラ五人廻し」
この豪華三本立ての中から、「オマン公社」をセレクト。
今まで、何度か、独演会に足を運び、ライブで接したけど、
これが、自宅で観賞できるようになるなんて、夢のようだ。
自分の部屋で、あのブラック師匠を拝めるんだからね。
しかも、「オマン公社」を、
まるで俺だけのために演じてくれてるような気になる、この錯覚は至福の極みだ。
内容は社会派っ!
破綻の危機にさらされる日本経済を救うために、
政府はあれこれと対策案を講じる。
その中で採用され、実現に至ったのが、風俗産業の国営化。
ソープやイメクラを国家が運営・管理し、そこに従事する風俗嬢たちは公務員の扱いとなる。
この国営機関は、「オマン公社」と命名され、
大きな庁舎ビルに収められる。
一般人がここを利用するためには、
まず、受付で、住民票を提出し、書類を作らねばならない。
係の対応はなんせ公務員の仕事だから、
「**さん、あなたはSEXを要望されるのですね」
「あ、はい」
「では、ここに捺印し、二階の五番窓口へ」
といった按配。
多様なオプションを要望することができるが、
たとえば、バイブの使用だったら、
文部科学省の管轄なので、その窓口へ行き、書類を作らねばならない。
剃毛プレイをしたいなら、農林水産省の窓口で同様。
また、外国人の風俗嬢を望むならば、
外務省の許可が必要であり、
血液検査や予防接種も受けねばならず、
その結果報告を受けるために、一週間、待たねばならない。
「ええっ、一週間も・・・。あのー、私は、今、SEXしたいわけで・・・」
「じゃ、日本人に変更ですね」
「あ、はい・・・」
「書類を作り直してください」
「あ、はい・・・」
そして、風俗嬢の源氏名は、女性議員の名が付けられている。
これまで、自宅ではCDで拝聴していたけど、
DVDだと、ブラック師匠の顔の演技を見ることができるので、実に嬉しい。
特に、お役所仕事の傲慢な対応に、あたふたする一般人が困り果て、クシャッとする表情なんぞ、可笑しくてたまらん。
おお、折りしも、洞爺湖サミットが始まった、実に、タイムリーな高座であったことよと、カンドーもひとしお。
晩飯。豚肉の生姜焼き。ワカメとキューリの酢の物。
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