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■ 9月1日(月)・2008
September 1, 2008 10:33 AM


 月刊「ロードショー」廃刊。
何か、意外な角度から胸をズサッと突かれたって思い。
俺ら世代としては、確かに、一つの時代が終わった実感を覚える。


「ロードショー」はミーハー的なテイストで、
外国俳優版の月刊「明星」(これも既に無い)といった造りだった。
対して、月刊「スクリーン」はもっと映画ファン向け、なんせ双葉十三郎氏の「僕の採点表」が連載されているくらいだからね。
それよりも上級編になると、「キネマ旬報」だった。
俺は三誌とも、図書館か、友人に借りてたっけな。


で、「ロードショー」は、アイドル的な俳優のグラビアや情報に精力を注いでいた。
ポスターとかポストカードを付録にしたり。
そして、
何よりも際だった、というか偏った特色として、
世界的にはどうだかは別として、
日本に限ってやたらと大人気の俳優を前面にプッシュしていたこと。


オリビア・ハッセー、テイタム・オニール、ブルック・シールズ、フィービー・ケイツなどが表紙や巻頭グラビアを飾っていたのだ。
中でも、
もっとも強い印象が残っているのは、


マーク・レスター


そう、あの「小さな恋のメロディ」のマーク・レスター君だよ。
とにかく女の子たちにすごい人気で、
何度も特集が組まれ、
もう、「ロードショー」といったらマーク・レスターだらけ。


はっきり言って、
他に、大した出演作品は無いんだよ、まあ、「オリバー」くらいだね。
ただひたすら、「~メロディ」でもっていた。
七十年代半ばあたりから、いつのまにか見なくなったっけ。
そうそう、最後の出演作が、たしか、
「王子と乞食」
なんとなく因果の匂いが漂うね。


しかし、82年、俺は激しい衝撃を受けた。
なぜか、有楽座(これももう無い)のロードショー公開で観た、
「処刑教室」。
この映画の監督が、マーク・レスター。


なにっ、「小さな恋のメロディ」のラスト、
クラスメイトらと学校で大暴れして、
トロッコみたいな貨車に乗って、
メロディ(トレイシー・ハイド)と共に逃走し、ジ・エンド。
その続編かよっ、復讐かよっ、「処刑教室」!


いやはや、マーク・レスター、
同姓同名のまったくの別人でしたわい。
ちなみに、「~メロディ」のマーク・レスター君は、
俳優を引退し、父親の経営するレストランで働き、それから、保育園に勤め、
整骨師の免許を取得し、今は、家族と靜かに暮らしているらしい。
「ロードショー」廃刊をどんな気持ちで受け止めるだろうか?


 晩飯。枝豆。ゴーヤーチャンプル。鯛の刺身。



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