本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
何度も記したように、俺は眠りが浅いので、
ほぼ毎夜、夢を見る。
で、昨夜というか、未明か、夜明けか、それはどうでもいいけど、
とにかく実にばっちい夢を見た。
こんな内容。
現在、取り壊しと再建が進行中の赤羽台団地(これは現実の通り)。
俺が二十年前まで住んでたところだ(これもホント)。
で、夢の中だと、
俺はまだそこで暮らしているという設定、さながらパラレルワールドだね。
かなり朽ち果てた五階建ての棟。
四階が俺の部屋。
そして、
二階には、痴呆老人がひとりっきりで住んでいて、
なぜか、
月に一度だけ、静岡からヘルパーのオバサンが面倒を見に来る。
俺が階段を上っていると、
その二階の部屋から、
ギャーッと悲鳴をあげて、ヘルパーのオバサンが飛び出してきた。
俺は、駆け寄り、「どうしたんですか?」
オバサン、室内を指差す。
覗き込むと、
なんと、部屋いっばいに、砂漠が広がっている、
と思ったら、
ぜーんぶ、ウンコの山だった。
で、一箇所だけ、モゾモゾ、動いている。
おじいちゃん、座ったまま、埋もれているのだ。
俺は勇を鼓して(ホント、すげえ勇気だな)、中に入ると、
トイレの洋式便器をチェックする。
おじいちゃん、ずっと流していない。
そこが、あふれてきた源だった。
ヘルパーのオバサンが携帯で警察に連絡している。
しかし、通じない。
ウンコの発するメタンガスのせいだ、と俺はなぜか納得。
で、仕方なく、
俺は通報するために、外に出て走ったよ。
だけど、団地一帯が改築工事のせいで、あらゆる道が閉鎖され、
やむをえず細い脇道を見つけては曲がり、あっちこっちへと進むにつれ、
さながら迷路に紛れ込んだ状況に陥った。
さらに、至る所で軍人(自衛隊って認識でないとこが夢ならでは)の姿を目撃するようになる。
どうやら、おじいちゃんの部屋のウンコのせいで、
戒厳令が敷かれたらしい。
と、道端で団地住人たちがしきりと噂している。
そして、なぜか、俺はいつのまにか、軍隊に追われている身であることを知る。
逃亡を続けていると、急にアルコールが欲しくなり、一軒の酒屋に入る。
そこの店主が、俺の顔を見ると、黙って頷き、
壁の隠し戸を開けて、
中に入って身を潜めるようにと、顎で示した。
彼はレジスタンスらしい。
どうして、おじいちゃんのウンコのせいで、こんなことに・・・?
なんて、俺はまったく疑問にも思わず、指示に従うのだった・・・
で、ここらへんで朦朧としてきて、
気付くと、
目が覚めていたよ。
なんで、こんな夢を見たんだろう?
って、しばらく考えていたら、なんとなく解ったよ。
或るフランス・ミステリ(傑作!)のせいだ。
日中、その冒頭シーンを思い出して、けらけら笑ってたのだ。
「ミステリが読みたい! 2009年版」(早川書房)のアンケートに答えるために、
ベスト3候補を選んでいたのだ。
あははは、もちろん、その作品はランクインさせたよ。
タイトルは・・・
11月下旬発売(らしい)のアンケート結果を見てね。
あ、関係者の皆さん、本日30日が締切のようですよ、ピンポンパンピーン!
晩飯。ジャーマンポテト。温タヌキ豆腐・温泉卵添え。キューリのコリアン風サラダ。
http://www.kurenaimon.com/mt/mt-tb.cgi/6984