本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
なぜか、甘栗が無性に食いたくなって、
スーパーで探す。
最近は、既に皮をむいたモノが袋詰めしてあって便利な渡世だ(オレ的にはいちいち殻を割るのが好きなんだけどね)。
例の「甘栗むいちゃいました」系の菓子が主流。
ぜんぜん関係ないけど、「小学生のオチンチンむいちゃいました」って、
誰のギャグだっけ、知ってる? どんな商品だかわかんねえし。
で、甘栗、見つけました。やはり、むき実の袋詰め。
カゴに入れる前に、
商品内容をチェック。
中国産と明記。
あちゃーっ、最近、いろいろ問題、多いよね。
つい神経質になっちまう。
結局、棚に戻したよ。
でもさ、ちょっと考えてみりゃ、
甘栗って言や、天津甘栗なんだから、どうしたって、中国産だわな。
最初から、俺がアホでした。
その代わりといっちゃ何だけど、
近くにあった「干し芋」の袋詰めをカゴに入れる。
が、ふと手を止め、一応、チェック。
中国産、だったよ。
あちゃちゃちゃちゃ・・・・・。
仕方なく、またも棚に戻す。
ホント、そこまで警戒することはないんだろうけどね、
やりかけたことは最後まで通さないと(←意地がこじれてる)。
ライトな絶望感を抱えて、何も買わずにスーパーを去った。
家帰って、のど飴でもしゃぶるべ。
ところが、
捨てる神あれぱ拾う神あり、
ってこういう場合の使用法あってるか、んなことどうでもいい幸運が舞い降りる。
冷蔵庫あけたら、羊羹を見つけたよ。
それも、「とらや」の。
家内がどこからかいただいてきたブツだろう。うちがわざわざ買うとは思えないし。
とにかく、これほど、
「とらや」
という店名が輝かしく見えたことはないね。
しっかり薄切りにして噛み締めたよ。
そうそう、羊羹の語源って知ってる?
昔、羊の肉を煮たスープを冷やして、ゼラチン状になったものをそう呼んだんだとさ。
でも、禅僧は肉食できないので、代わりに小豆を使った、
そんな精進料理が今の羊羹の原型。
あ、羊肉のゼラチンの方は、
中国四千年の料理、
どこまでも追いつめて来ゃーがるぜ。
晩飯。鶏(国産)のつくね鍋。
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