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■ 11月2日(日)・2008
November 2, 2008 11:15 AM


 夕刻、母殿が来訪。
みんなでブイヤベースもどき鍋を食う。


母殿の亡父、つまり、俺の祖父サマの話を聞く。
祖父はたいへんな動物好きだったという。
また、大戦中は、厳格な海軍士官であった。
サイパン、マリアナ、ミクロネシアの海域で激戦を体験。
体内に幾発もの弾の破片を残していたのを、
俺は、ガキの頃、シワシワの肌の上から触らせてもらって、
すこぶる驚いたものである。


戦場で、つかの間の慰めになったのが、
島々での動物たちとの触れ合いだったようだ。
馬、犬、サル、ウミガメ、オウム、また、大トカゲやヘビにいたるまで、
何でも可愛かった、と語っていたらしい。
戦中、幾度かの帰還のたびに、
そうした南方の動物を連れて帰ってきた。
当時では珍しい九官鳥やポケットモンキーなど。


部屋に誰もいないのに、
「コンニチワー」という九官鳥の声が聞こえて、
来客が驚愕したなんてこともあったらしい。


俺がガキンチョの頃、祖父は犬を飼っていた。
雌の柴犬系の雑種、名はペロちゃん。
俺は、その楽しい思い出が忘れられず、今、番犬ハチ君を飼っているわけだ。


あと、俺が動物をタイトルに織り込んだ、
獣道ミステリを書いているのは、
ちょっとしたDNAの継承なのかもしれない。
仕事場の壁には、
祖父の愛用していた海軍サーベルが架かっている。



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