本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
飲料水にこだわり出すと、キリがないらしい。
仰天するような高値のミネラルウォーターが存在したりする。
もちろん、うちのような下層階級は、そんなもん買えっこない。
せいぜいやってることは、
水道水の蛇口の先っぽに浄水キャップを付けてるくらい。
ほら、小さい樽みたいな形したやつ、あるよね。
300円くらいの。
それを、三ヶ月おきに交換してる、ささやかなもんである。
でも、充分である。
いつか、コンビニとかで売ってるペットボトルの天然水を数種と、
この浄水キャップの水道水を、
それぞれコップに入れて、中身を明かさず、
知人たちに飲み比べてもらったことがある。
そしたら、もっとも美味しいと最多得票を得たのは、
浄水キャップの水道水であった。
そんなものなのである。
最近、多くのスーパーで、
無料で、浄化飲料水をサービスしている。
蛇口の付いた機械から、お客さんがセルフサービスで、持ってきたボトルなどに入れる、という方式。
これもいいな、と思ったけど、
重くて面倒なのであっさり諦めたよ、俺、体力ないし。
で、先日、三重県で大変なことが・・・。
スーパーのそうした給水サービスのために、
水を溜めておく受水タンクで、
男の腐乱死体が発見された。
自殺だったらしい。
受水タンクで入水って、洒落になんねえ。
しかも、死後、一ヶ月経っていたという。
その間に、およそ一万人ものお客さんが浄化水を口にしていた。
ご臨終でもないのに死に水をっ。
でも、保健所の検査によれば、
浄水装置の力で水質基準には適合していたとの報告。
今のところ、健康被害を訴えるお客さんもいないので、
結果オーライ(?)ということらしい。
まあ、最大の被害は、そのスーパーだろうて。
イメージダウンなどダメージは計り知れない。
せめて、その腐乱死体が、
たとえば、S・スタローンだったら、
「ロッキーのおいしい水」
って、ピンチをチャンスに変えられるのにね!
って、んなわけねえだろっ!
スタローンが、三重県の受水タンクに入水するシーン、無気味だし、経緯わかんねえし!
ごめん。
じゃ、仕切りなおして、
内田裕也の腐乱死体だったら、
「ロッカーのおいしい水」
って、ピンチを・・・以下同文。
晩飯。焼きギョーザ。つけ麺。冷奴。
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