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■ 2月11日(水)・2009
February 11, 2009 8:45 AM


 こんなシーンを、家内は目撃したという。
某デパートの特設セール会場。
朝から、大勢のお客さんが詰め掛けていた。
開場時間が来るまで、ロープの後ろに並ばされている。
殺気立っていた。


一方、カウンターでは、
デパートの女性店員さんたちが、商品を並べ、スタンバっている。
これから来たる激動に身構えて、
空気がピリピリと張り詰めていた。


合戦前のような異様な雰囲気。
両陣営を見つめるギャラリーも出来ていて、家内もその一人だった。


そして、開場。
その瞬間、順番もへったくれもない。
ぐぉーっと押し寄せるオバサンたち。
さながら、走るゾンビの群れ。


すると、カウンターで、
いきなり、


若い店員さんが、倒れてしまった。


白目をむいて、こん倒。
急激な酸欠だ。
そして、何よりも精神的ショック。
走るゾンビの群れを真正面から見てしまい、
恐怖に貫かれたのだ。


ベテランらしき年長の店員さんたちは、
決してお客さんたちの方に目を向けておらず、
商品の方を見ていた(と家内の証言)。
それがコツらしい。
こん倒した店員さんはおそらく新人さんだったのだろう。


で、
その店員さんが倒れるや、
すぐに、舞台袖みたいに脇から、
男性店員がすみやかに走り寄る。


車椅子を押して。


そう、車椅子が用意されているのだ。
よくあることなのだろう。
手際よく、仮死状態の女性店員を車椅子に乗っけ、
さっさと、舞台袖へと片付けてしまうのであった。


若い店員さん、ひとつ学んだ。
決して客の方を見てはいけない、と。


 晩飯。鶏つくね団子の鍋。



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