本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
崇拝してやまない作家の一人が、
P・G・ウッドハウス。
そのウッドハウスの代表作、執事・ジーヴスのシリーズが、
勝田文さんの絵により、漫画化されて、
白泉社の隔月刊誌「メロディ」に連載されている。
ベースの原作は、短編集「比類なきジーヴス」(森村たまき訳・国書刊行会刊)。
そして、この度、
五つの漫画作品を収録した
単行本が刊行された。
タイトルは、
「プリーズ、ジーヴス」(1)
果汁100%のように、
原作の持ち味を十全に満たしたウッドハウス・ワールドが活写されている。
キャラクターたちが、劇画ならではの躍動性を帯びて、
初めて接する読者も、きっと、感情移入しやすいだろう。
演出が効いているのだ。
また、ちゃんと、現地のイギリスにロケハンにも赴いたようで、
その成果なのか、
背景画やアイテムの凝り具合が楽しくなってくる。
漫画として改めて読んでみると、
個性の濃いキャラたちが、のほほんと謀略を仕掛けあう、
その平和的な抗争劇が、
日常のスパイもの、といった感じで、
ああ、やっぱり、ジェームズ・ボンドが生まれる土壌なんだなぁ、
と妙に納得するのだった。
そうか、ジーヴスは、執事の007なのかもしれない。
とにかく、
存分に楽しめて、なんと、これで、
590円(+税)
とは、
もう激しくお得ですよったら! お客さーん!(ジャパネットたかた社長も憑依)!
この本を機に、
世界的に偉大なユーモア作家、
ウッドハウスの原作の方も是非ともどんどん手に取っていただきたい。
そしたら、
みんな笑顔の、住みよい世界になるのに、って、
リアルにシリアスに思うのであった。
ホント、面白いんですからー! お客さん!(再び、たかた社長の憑依)!
真ん中が劇画。
原作のジーヴス・シリーズは、国書刊行会(右)と文藝春秋(左)から刊行。
晩飯。イワシの塩焼き。イナダ刺身。春キャベツのサラダ。新ジャガのオイスターソース炒め。
http://www.kurenaimon.com/mt/mt-tb.cgi/7152