酔狂に猛走する、ユーモア本格ミステリの傾き者、推理作家・霞流一の公式サイト、「探偵小説事務所」へようこそ!



■ 3月19日(木)・2009
March 19, 2009 10:44 AM


 来週、新作「ロング・ドッグ・バイ」の見本が遂に完成する。
感慨深い。
んで、メイキング・オブを振り返りたくなって、
担当の編集・Mさんとの打ち合わせメールを読み返していた。


一つ、気付いたこと。
修正やスケジュールなどの打ち合わせの記載の後、
かなりの頻度で、
編集・Mさん、映画の話を振ってきている。
小説の内容とは関係なく、ね。
こちらが元映画屋で、シネマファンということを知っているので、
そうした話題で、俺を和ませてくれていたのである。
もちろん、Mさんもかなりの映画マニア(特にホラー系らしい)である。


で、ご推薦の映画を、コメント添えて、教えてくれるのであるが、
そのラインナップが、
Mさんのご容姿(ベッピンさん←俺も表現古いね)とはギャップがありすぎて、
なんともスパイシー、頭ん中が心地よくハレーションする。
たとえば、


「ギリシア・ゾンビ」
「パキスタン・ゾンビ」


「悪魔の毒々バーガー」
(コメント概要・「ゾンビの屍肉をハンバーガーにしたら、みんなゾンビになるという設定がワンダフル、普通、思いつきません」)
「悪魔の毒々おばあちゃん」


「恐怖!兎男」
「恐怖!キノコ男」


「トレマーズ3」
(「とうとう、怪物が空を飛ぶんですよ」)


「悪魔の毒々パーティー」
(「学園パニックものが大好きです」)


「ネズミゾンビ」
(「もっときちんとネズミ男の造形をやってほしい。惜しい」)


「ゾンビ・ストリッパーズ」
(「激しいダンス、飛び散る腐肉。なんだか応援したくなります」)


「ニンジャ・チアリーダー」
(「・・・いつか、ピンクラメ加工をしたチアリーダー本を作りたいと思っています」)


という、胸元をえぐるような作品とコメントの数々。
唯一、俺が、先回りして観ていたのは、


「三頭魔人」


これ、朝鮮ニンジン男が出てくる。
たぶん、Mさんの鋭い観賞眼だと、「造形がイマイチ」って感想だったろうなぁ。


ある時、Mさん、ホラーの話題ばかり書きすぎたと思ったのか、
唐突に、
「普通の映画も観てます」
とコメントしてんだけど、
次のメールでは、
「ところで、地底人が好きです。地底人の出てくる映画を知ってたら教えてください」


俺、ちょいと思い当たる節があって、タイトルだけ知っていた
「地底人アンダーテイカー」
と返信したら、
Mさん、ツタヤに探しに行ったらしい。
本当に地底人が好きなんだなぁ、と深く感銘した。


しかし、とにかく、
Mさんの映画トーク(メール)を読むと、
覚醒剤効果があるのか、妙にハイテンションになって、
元気よく執筆に立ち向かっていけるのであった。
これも編集のプロならではのマジックなのかもしれない。
おかげで、自分でも納得の出来る作品の完成に漕ぎ付けました。
Mさんには、心より御礼申し上げます。


ふと、ちょっとデジャブを覚える。
似たような経験があったような・・・
おお、一昨年、「夕陽はかえる」(早川書房)の際、
編集・マイキーKさんもそう言えば、打ち合わせの際に、
なぜか、小説とは脈略なく、映画の話を振ってきたっけ。
それも、
バンジーパンツなどの刺激物満載の「ジャッカス・ザ・ムービー」
とか、
哀川翔の出産シーンのある「牛頭(ごず)」とか、
やっぱし、ヘアピンカーブな映画ばかし。


ああ、そう言えば、
編集・Mさんと、マイキーKさん、
かつて一時期、同じ編集室にいたんだっけ。
類は友をナントカ、って、やっぱしあるのかなぁ、
って、またも感慨深くしてたら、
夕刻、怪しげな郵便物が。


こんどは、マイキーKさんの友人でもあるAさんが、
DVDを送ってきてくれた。
それも、


「アナコンダ・アイランド」
「グリズリープラネット」
「ザ・ヒル」(丘のヒルじゃなくて、虫のヒル)


お手紙によれば、こないだのお礼だって。
俺、何したかっていうと、
ダブり持っていた漫画「シベリア超特急」と、「シベ超」ペーパーモデル
を、Aさんに送りつけてあげたんだっけ。
他人様のこと言えないね、俺。


なんだか、皆さん(俺を含め)のあいだに、
「映画秘宝」系というか、
燃えない石油の地下水脈みたいな回路が広がっているような気がする。


ん、きっと、この黒い水脈はさらに甲府方面、
そう、飯野文彦センセーあたりにもつながっているのだろう。


おお、そういえば、
当ネットショップ「シャブネット霞」
の好評のイイノグッズ、キイホルダーとかシールなどを、
編集・Mさん、注文したいとおっしゃったので、
プレゼントしたら、すこぶる喜んでくれたっけ。


「トレマーズ」のように、
まだまだ、この地下水脈は拡大してゆくかもしれない。
ついには空も飛ぶね!


 話はガラリと変わりますが、
 朝、パソコンがフリーズして、俺、脳がフリーズ。
で、慌てて、
PCのプロ(東京国際映画祭のLINEも手掛けた)O竹さんに救命TEL。
懇切丁寧なアドバイスをいただき、無事、再起動。
O竹さん、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。


 晩飯。タイのアラの酒蒸し。マグロ納豆。カボチャ煮付け。



 [ このエントリーのトラックバックURL]
http://www.kurenaimon.com/mt/mt-tb.cgi/7155