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■ 3月22日(日)・2009
March 22, 2009 9:52 AM


 毎月、愛読している雑誌の一つが、
月刊「映画秘宝」(洋泉社)。


今月号、表紙をめくるなり、いきなり仰天と歓喜に飛び上がった。
表2いっぱいの広告、
崇拝するサミュエル・フラー監督の、
「東京暗黒街・竹の家」
が遂にDVD化!
速攻で、キイボード叩いて、予約したよ、その間、わずか0.6秒、シェーンと相撃ちだねっ。


ついこないだ、
やはり崇拝するもう一人の監督、ロバート・アルドリッチの、
「北国の帝王」が待望のDVD化されたばかりというのに。
ああ、まるで夢のようだ。
貯金が減っていくのも夢のようだ。
俺には、消費の神様がついておられるらしい。収益の神様は冬眠らしい。


で、件の「東京暗黒街・竹の家」だが、
タイトルの通り、東京が舞台のギャング映画。
しかし、米国産ムービーなので、
めいっぱいニッポンを勘違いしてる。
けどね、そこはそれ、なんせ、サミュエル・フラー監督だから、
パワフルな美学にまで昇華しているんだよ、本能的に。


そして、これを受けて、
「映画秘宝」の誌面では、
おかしなニッポンが出てくる外国映画の特集! 実に気が効いているよ、サスガ!
「キル・ビル」「007は二度死ぬ」を筆頭に、
「東京ジョー」(ボギー主演!)や「ハンテッド」「カブキマン」など、
ああ、ニッポンに生まれてよかったーっ!


でさ、昔さ、俺、東宝映画の企画室に勤務してただろ、
その頃さ、時折、怪しい外人のプロデューサーとかがやってくるんだよ。
企画の売り込みにね。
その一人でさ、露骨にいかがわしい映画化のハナシをしに来た金髪のブタ(どちらかというと馬)野郎がいたんだよ。


そいつのプレゼンした企画というのが、
ハリウッドで、


「源氏物語」


を映画化するっ。


アメリカに、舞台や設定や時代を置き換えてじゃないよ。
そのまんまの映画化。 
どうすんのさ?
ハリウッド、平安時代、夜這い、三大噺かよっ!


しかーも、そいつは図々しくも、
こう抜かしやがった、


「ついては、製作準備金として、5千万を提供してほしい」


俺、速攻でその場から姿を消したよ。その間、0.5秒、シェーンに勝ったね。
後日、耳に入った話だと、
そいつ、東宝本社の重役さんにも会いに行ったらしいけど、
もちろん、500円のお駄賃だって貰えやしなかったって。
アタリメーだろっ!ファッキングジャップをなめんなよっ!


あれから、二十年近く経つけど、
ハリウッド版「源氏物語」公開の噂はつゆとも聞こえてこねえさ。


 晩飯。ロールキャベツをあつらえてもらう。豆腐とワカメのサラダ。



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