十二月十四日
といえば、
やはり、忠臣蔵、なのでしょう。

生れて初めて見たのが
「わんわん忠臣蔵」
アニメ映画である。もちろん、ワンコ達の忠臣蔵だ。

主人公の名がロック、大石ですね、
敵役がキラー、もちろん、吉良、
ほぉ、上手いもんです。子供の頃には解らなかったけどね。

あ、そうそう、俺、
「ちゅうしんぐら」って言えずに
「ちょうちんむら」って発音していたっけ。

ちゃんと「ちゅうしんぐら」と言えるようになってから、
確か、小学五年の時、
テレビドラマで、人間の時代劇の普通の「忠臣蔵」を見た。
これが、おそらく、初体験だろう。

鮮烈なシーンがある。
それは、討ち入りを果たした後、
四十七士が本所松坂町から高輪の泉岳寺まで
威風堂々と行進している時、

浪士の一人が槍を肩にかつぎ、
その先端に

布袋で包まれた吉良の首が吊るされ、

それがプランプランと揺れている。

耳や鼻のラインがクッキリと浮かび上がった布袋。
それが、プランプラン・・・・・・
道中、ずっと、そんなふうなわけだ。

沿道で江戸の町人たちが
やんやの大騒ぎ。
彼らの熱視線を浴びながら、プランプラン。

いやあ、
今現代だったら、どんな感じなのだろう、
って、小５の俺は何だか身震いしたのであった。

あっ、そんな提灯みたいなプランプラン、
だから、
やっぱり、
「ちょうちんむら」かあ、
まあ、そんなもんだろう、よっしゃあ、よっしゃあ。

　晩飯。アサリの酒蒸しの出汁で、鱈の味噌鍋、仕上げはうどん。イカ刺身。