本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
数日前のことなんだけど、
自転車に乗って
ペダルをこいでも、
なかなか前進しない、不思議な体験をした。
何か
目に見えないものが
前に立ちはだかって、
邪魔しているような感じ。
ヌリカベ?
まさかねえ。
おそらく、
ブレーキが車輪に接触しているんだろう、
と思って、
チェックしたが特に異常なし。
あれこれ調べてみるが
さっぱり解らないので、
ヌリカベと戦いながら、
ズルズルと近所の自転車屋さんに押してゆく、ああ、しんど。
自転車屋のオッサン、
じっと自転車を見つめ、数か所に触れると、
「ぶつけられてますね。それで、車輪が微妙に歪んでいるんです」
ええっ、そうなのか?
なるほど、よく見ると前輪がほんのりたわんでいる感じで、
そのため、車体の一部に接触している。
それがブレーキになっているのだった。
「たぶん、車にぶつけられましたね。
自転車はサイドから攻められるとモロいんですよ」
と、
教えてくれるオッサンは
まるで、ボクシングのゲスト解説者の元チャンプのように風格があったよ。
ああ、そういえば、
数日前、何かの業者の車が家の前に来た時、
ガチャガチャ耳障りな音を立てていたっけ。
きっと、積み荷を搬出しているのだろう
と思ってたけど、
たぶん、その時だね、サイドからパンチをくらわされたの。
まあ、一見、損傷もないから、
その業者さんも大丈夫と安心して、さっさと走り去ったんだろう。
自転車屋のオッサンは
スパナで問題の前輪のネジを緩めたり、軽く叩いたり、
ちょちょいのちょいと調整。
「これで、走る分には大丈夫だよ」
おお、ホントだ。
ヌリカベが退散している。
スパナが御祓いの道具に見えたね。
俺、修理代を払おうとしたら、
「ああ、いいよ」
と、オッサン、手を振って、店の奥に行ってしまった。
か、かっけえ!
そして、感謝!
うーん、
本日(2月1日・土曜)の
テレ東「アド街」の特集は
西荻窪
なのだけど、
こういうお店も忘れないでほしいよね。
晩飯。ピェンロー鍋、仕上げは雑炊。
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