本格ミステリの傾き者、推理作家 [霞流一 探偵小説事務所]
■ 12月5日(土)・2015
December 5, 2015 10:47 AM
「中井英夫 西荻窪の青春展」
が開催されています。
ミステリの金字塔「虚無への供物」の作者である
中井英夫氏は
戦後まもない昭和20年10月から昭和31年までを
西荻窪で過ごしていました。
その当時の生活ぶりは
西荻窪の青春
と副題を付した
「黒鳥館戦後日記」「続・黒鳥館戦後日記」
に記されています。
本日は
今回のイベントの一つ、
「西荻窪文学散歩『中井英夫』を訪ねて」
に参加させていただき、
西荻における中井英夫氏の縁の地を巡ることができました。
この古い建物は西松会館といい
政府からの配給物資を供給する場所でした。
中井氏もここに受け取りに来たそうです。
左の桃色のマンションの建つ場所に
かつて
中井氏が居住していた
アパート「青雲荘」があったそうです。
ファンにとっては聖地と言えるかもしれません。
中井氏は駅前の繁華街の
バー「街」によく通っていました。
泥酔した姉を引き取りに来たこともあったとか。
店の跡地は今では小さな駐車場に。
親交のあった評論家・荒正人氏の書庫。
氏は「虚無への供物」の出版祝賀会の発起人の一人でした。
その書庫の斜め前、
今では「トトロの木の公園」と知られていますが、
かつて、
中井氏はここを
「海の見える丘」と名付けていたそうです。
実際に海が見えるわけではありませんが、それくらい見晴らしがよかったのでしょう。
中井氏の目にはしっかり見えていたのかもしれません。
私も疲れた時は、
ここに海を見に来ようと思いました。
晩飯。鱈と浅蜊の味噌鍋、仕上げはうどん。ブリ刺身。
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