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■ 5月28日(火)・2019
May 28, 2019 10:08 AM


 

路上で、
二十代の娘さんとそのお母さんが
知人らしき
初老のバアサンと立ち話をしていた。


娘さんは
小型のワンコ(ミニチュアダックスフント)を抱っこしている。


ワンコのお腹はふっくらとしていて、


バアサンがそれを指摘すると、


お母さんが
「ええ、もう少ししたら、子犬が産まれるんですよ」
「それはそれは、きっと可愛いでしょうねえ」
バアサンは顔をほころばせ、
三人の和やかな笑い声が弾む。


そして、バアサンは続いて
娘さんのお腹に目を向けて


「あ、どうやら、お嬢さまも、オメデタみたいですね」


すると、
お母さんは


「い、いえ、このコはただ太ってるだけで・・・」


「えっ、あ、あ、そう・・・・・・」
バアサン声を詰まらせる。


三人とも笑顔をキープしているけど、表情固まっていて、
バツの悪い空気が漂っている。


そういう空気って
ワンコも解るんだろうな、
何か緊張した面持ちで人間たちを見ていたよ

 

 

 

 

 

 

 



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