酔狂に猛走する、ユーモア本格ミステリの傾き者、推理作家・霞流一の公式サイト、「探偵小説事務所」へようこそ!



■ 7月11日(木)・2019
July 11, 2019 9:49 AM


あ、そうそう、
昨日の続き、だったね。


昔のラーメン屋の
気になる思い出ばなし、
もう一つ。

 


やはりオイラの会社員時代の
あれは八十年代の中頃だったっけ。


銀座の或る有名店の
ラーメン屋での日常的な風景。


そこは
入り口のドアを開けて
すぐのところに
レジがあって、


いつも、
店の女将らしき
貫禄のあるでっぷりとしたオバチャンが
でーんと座っていて、


風呂屋の番台みたいに
店内に睨みを利かせていた。

 


ホント繁盛店で
昼飯時は混み合っている。


そして、問題は
満席の時だ。


お客さんが来ると、


女将のオバチャンは
「ちょっと待ってて」 とお客さんを待機させ、


番台レジから
店内に
鋭い視線を走らせるや、


「ほら、あそこがもう少しで空くよ!」


と、
一つの客席を指差すのである。


そう、食べている最中のお客さん、をね。


いやあ、
指差されたお客さん、かなわんよ。
うわっ、早く食べなきゃ、って
何かプレッシャーでさ。

 


だから、満席の時、
新たにお客さんが入ってくると、
食べてるお客さんたち、
あ、こんどは自分が指差されるかも・・・
って戦々恐々とした雰囲気になってさ、


まるで、
名探偵コナン君が犯人を指摘するシーンだったよ。


オイラなんか目を合わせないように背中丸めて
ラーメンをかきこんだもんさ。

 


そんな名店だったけど、
九十年代にビルの建て替えに伴い
惜しまれつつ閉店したっけ。


(どこか別の町で再開したという噂を聞いたけど、
やはり、お客さんを指差すシステムは健在かなあ)

 

 

 

 

 

 



 [ このエントリーのトラックバックURL]
http://www.kurenaimon.com/mt/mt-tb.cgi/11113